震災と表現

昨日、搬入で久しぶりに気仙沼へ行ってきました。
リアス・アーク美術館は震災後、1年半休館していましたが、
2012年7月28日より部分開館、2013年4月3日より完全開館していました。
私は2年ぶり!
なので、
常設展の『東日本大震災の記録と津波の災害史』
今回初めてみました。
artsscape 2013年6月1日号記事にも載ってます
もの凄く考えさせられる展示でした。
震災直後から、市長から震災の”調査員”として任命された学芸員が足で歩きながら様々な写真を撮り、
記録した膨大な写真とレポートの数。
そして、たくさんの被災物の展示と持ち込んだ方々のコメント。
東日本大震災を考える『Key Word』 として、
「被災者」「火災」「悪臭」「重油」「物資」「支援」「当事者と第三者」・・・・などなどの言葉そして解説。
そこにいて体験し熟考した故の、”考えさせられる現実” がたくさんありました。

(リアス・アーク美術館サイトより)
ちょうど私が会場に入った時、
どこかの学生らしき人たちがメモ帳片手にドヤドヤ・・・かなりの混雑
被災物と一緒に展示してある、
お子さんだったり、漁師さんだったり、お母さんだったり、色んな人のありのままの言葉に、
その若い子たちからすすり泣く声も聞こえたりしていました。
そう、ひとつひとつから・・・そこにあった生活や家族、人間関係が想像できてしまう。
本当に胸が張り裂けそうな気持ちになるし、あまりの光景にただただ茫然となってしまう。
だけれども、それが現実で、
自ら被災者でありながらその現実をしっかり受け止め、客観的に考え、表現し、伝えるという形にまで持って行った
学芸員の使命感と美術館の存在に物凄いパワーを感じました。
命がけで表現し、伝えようとしている・・・と。
悲観や感傷では勿論なく、
テレビやラジオ、新聞の報道とも違う、文化的視点からの表現、伝達、そして未来へ繋げること。
『Key Word』にあるように、震災がもたらした沢山の ”現実” から本当に多くの事が考えさせられるし、
個人的には "表現と社会との関わり" も大きな『Key Word』のひとつとなりました。
ひとつひとつ丁寧に見て回ったら1時間半位?かかってしまいましたが、
もし行かれる方は、パ~っと観ずに(それでは意味がないと思います)
じっくりゆっくり文章も読みながら、感じ、考えながら、観るのをお勧めします。
遠方からでも海外からでも、この展示を観に足を運ぶ価値は十分にある常設展でした。
とは言っても、最後は少し駆け足だったので、私もまたゆっくり観たいと思います。
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さて、
9/17(水)~始まる、
リアス・アーク美術館開館20周年記念特別展
『震災と表現 BOX ART 共有するためのメタファー』
ここでは37名の作家と4組の大学チームが、『震災と表現』と題して
BOX ART(箱という形状を用いて箱の空間に表現世界を繰り広げた作品)←うーん・・・この説明で大丈夫だろか?
を出展します。また、作品だけではなく、文章でも表現しました。
「メタファー」とは「比喩」という意味です。
被災物を使ったり・・・とかいう直接的な表現ではありません。
私は震災の比較的直後、ドイツに出展するのにやはり『震災』をテーマに作品を制作しましたが、
あの頃はまだ客観的に観ることも言葉も出なかったような気がします。
美術の社会的役割を信じつつもなんだか虚しくも思え、自分がすべきことを必死に考え、
目の前の現実を直感的に感じ取り、表現しようとしていました。

2012年ベルリンで開催されたグループ展「TEGAMI」のパンフレット。中央一番下が私の作品です。
震災から3年半経った今、あの時から感じていたものを客観視し、少し踏み込んだ表現になったかと思います。
まだまだ大変な状況にも関わらず、大切な機会を与えて下さったリアス・アーク美術館に感謝しつつ、
出来るだけ、多くの方々に足をお運び頂けたら嬉しく思っております。


また、少しずつ風景が変わっていた気仙沼でしたが、
気仙沼魚市場の『海の市』では、少しお店が復活してました~嬉しい。

やっぱり気仙沼のカツオは美味しかったです!
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さぁ、そしてこちら、
山形の迦哩迦での個展はいよいよ、14日(日)最終日
あと3日です。早いなー。
 

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