カテゴライズ問題

制作活動をしていると
色んな人から色んな質問を受けます。
どんな質問でも、きちんと答えないと…と思うので
必死に分りやすい言葉を探します。とてもエネルギーのいる事。

私の発する言葉が適切かどうか…というのは…だいぶ微妙。
もうちょっと理論的に、客観的に話せたらなぁ。
といつも思う。

言葉なくても理解できる人
言葉があって初めて理解できる人
言葉をどんなに並べても理解できない人

国や男女、年令は関係なく
人との関係、人とものとの関係には色々あってあたりまえ。
なんですけどね。
できるだけ伝える努力はしないといけません。

うん、うん
 

肩書きはなんですか?
と必ず聞かれます。

素材は金属を扱ってます。
ですが、技法は鍛金が主ではあるけれど彫金も鋳金もやったりします。
鍛金家?とはいえないかもしれない。だから金属工芸家にしときます。
注文品も受けたりします。
となると職人か?となりますが、オブジェも作ってますし職人とはちょと違う。
だから金属造形家とも名乗ります。
なんだっていいような気もするけどそれじゃ伝わらないので
そうする事にしてます。…自称です。

悩みながら、自分と、金属と向き合って制作してますが
カテゴリーに当てはめたい人々からは、時に風当たりが厳しかったりもします。
でも、日本国内のカテゴリー分けと海外ではまた違かったりします。
だから、カテゴリーは求める人がいて、客観的に分けられる事であり、
作り手が決められる事ではないと、私は思ってしまうのです。

彫刻家が絵を描いたっていいし
画家が立体を作ったっていいし
工芸家が彫刻を作ったっていいじゃないか…と私は思う。

作家には色んな時代があってもいいと思うし、そのカテゴリーの定義は誰が明確に言えるのでしょう?
1人の人間から生まれる作品がどんな形態であれ、繋がる空気は必ずあると思うし、
一見、相反するものでも相反して内在する要素に変わりはない。
自分に素直に、そして自由な表現の場でありたいものです。

では、なんでもありか?

といったらそうではないのですが、その定義だって人それぞれです。
物つくり=美術ではなく、私の考えでは、作品の奥に作り手の哲学や魂やメッセージがあって
その上、直接的であれ間接的であれ社会と繋がるのが美術というような気がしてます。
違うかな?
工芸、クラフトも本来、同じ意味なのに国内では違う使い分けをされてます。
アートクラフトなんて言葉もあります。
もう、面倒くさいですね。
私の事はある人にはクラフト作家といわれ、ある人には職人、ジュエリーデザイナー、彫金師、鍛金家…
えぇ??と思う事もあるけれど、あまりこだわってませんし、なんでもいいです。
なんとでも言ってくれ~です。
変わらないのは私は私、という事なんですが…
でも、もっと上手く説明できたら幸せですね。

今回の展示で初めて学芸員とお仕事をして、
彼らの仕事は作家の作品を客観的に現代、過去の美術史の中での位置付けをしたり、
作家が何を表現しているのか?何を模索してるか?
視点、背景、表現、技法、素材、社会、流行を含め相対的に一般の人へ、
分りやすい言葉と展示で橋渡しをする仕事だ、と解釈しました。

学芸員も一個人。
けれども好き嫌いを超えて、とても客観的に作品を観、言葉を使ってました。
誰もが出来る事ではない、凄い事ですね。

初日に学芸員の方がマスコミに話した言葉(私の作品について)
は、難しいこのカテゴリーについても、なんて適切な言葉を使うんだろう…と感心してしまった。
そのくらい客観的に説明するっていうのは、作り手にとっては難しい事ですし、有難い事です。
録音したかった…。
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ごちゃごちゃと書きましたが…

色んな理屈や先入観は捨てて、まっさらな感覚で、作品を見て貰えたらなぁと思ってます。

美術の見方が分からない…と思ってる方も。
見方なんてないと私は思うのですが、もし何か手がかりが欲しいのでしたら
美術館に行ったら学芸員に説明してもらったり
色んな本を読んだり、色んな話を聞くのも手かもしれません。
好き嫌いで観たっていいと思います。

なんでもそうですが、理論から入る方と感覚から入る方とがいるようで
その楽しみ方もそれぞれ。

と言いながら、感覚派の皆様、
私のくどい文章を読んで嫌になりませんように!!
理論派の皆様、あまり突っ込まないで下さい。基本、私は感覚派なのです。
「カテゴライズ問題:あくまで私の見解」でした。

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理論派の皆様?へ

《ニコニコ動画》上に村上隆氏が載ってます。
《村上隆の芸術実践論》
彼は国内外におけるカテゴライズ話もしてます。
国内で酷評を受けてる彼ですが…本当に凄いエネルギーの持ち主です。
こうやって話をする事によって見る人の意識も変わる。
でもその話で先入観も与えてしまう。
だからこそ、言葉を選び、勉強して、その言葉の責任を負いつつ世の中に作品を出してるんですね。
好きか嫌いかを超えて尊敬してしまう。

あと、多きにして彼は芸術とお金の話をしています。
面白いです。

もっとくどいのがお好きな方は…どうぞ
(プレミア会員登録しないと…ですが。私は理論派ではないけど、くどいので登録しちゃいました)
おしまい
 

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