そこにあるもの2010

プラチナ

独りで生まれ 独りで死にゆく たった一つの個
流れる血 刻まれる記憶 歴史も人はそれぞれ違うのに
なぜ 同じ月や花を見て美しいと感じるのだろう
なぜ 死を悲しみ 生命を慈しむのだろう

私はそこに それぞれが繋がっている何か 共鳴する何か
眼には見えないけれども 確かに何かが有るのだと感じる

『そこにあるもの』

すぐそこ(it)にあるもの 血や地の底(bottom)にあるもの

そんな 形にならないものを形にしたいと思うのは
ただ 作品を通して何かと 誰かと 共鳴し
繋がっていたいだけなのかもしれない

そんな -祈り-

イメージそれは 線 色 質感 空気 音 と結びつき
フォルムや形態は時間と空間で 変化する

自分のフィルターを通した 自然の断片 機械のパーツ
そして用途の あるものないもの
金属は天然の鉱物 工業製品 マネー 様々な側面を持ち合わす

人と同様に刻まれた記憶 歴史 そして地に還る事

素材を前に 私の感情はあまり意味の無いものとすら思えてくる

ただ 静かに対話しつつ互いの着地点を探ってゆく 作業

2010年 『N.E.Blood 佐々木里恵展』(リアスアーク美術館)によせて

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