やっとあれから2年なので・・・思い切って文章にしてみようと思います。
忘れもしない・・・2022年9月、私の不思議な約1カ月の幻覚体験は個展続きの超多忙の時に唐突にやってきました。
当時は色んな神様や魔術師、妖精から天使や悪魔が次々と現れたり、
植物や道具が喋ったり、子供の頃の自分や他界した親友が出てきたり、自分が死んだり、、、
想像を超えるぶっ飛んだSFストーリーの中にいる様な日々。
本一冊書ける程の不思議体験をしました。
未だにあれは何だったのだろうかと思うほどです。本当に不思議。
幻覚が納まった後は、自分が自分じゃないような感覚だったり、今まで出来ていた事が出来なくなったりと、
一時はもう日常生活が出来ない状況でしたが、寄り添ってくれた家族や、常に話を聞いてくれた友人のお陰もあって、良好な経過を辿り、今はすっかり普通に暮らしています。
暫く以前の様には制作出来なかったのですが、手は覚えていてくれて、そして徐々に集中力も戻って来た時の喜びは忘れられません。こんなにも日常が有難いとは。
病名とは分からないもので、次々と変わり、原因は大きなストレスでは?と言われましたが・・・これ!と言った明確な原因は思い当たらず。
とはいえ、幻覚が現れる前はあらゆる五感が敏感になっていたのであれがサインだったのかもしれません。
(そうとも知らず私は ”最近、感覚が研ぎ澄まされてきている、いいぞ!” と思って制作していました、笑)
私たちには使われていない脳の回路がいっぱいあるそうです。
そして、脳は一度繋がった回路は忘れないらしく・・・
金属を叩く音は幻覚の再燃を刺激するかもしれないと判断して、注文品のカトラリー以外の鍛金は諦める事にしました。今まで大好きだった作業なのに身体が拒否していて、やむを得ない決断でした。
なので、2年間、様子を見ながら音の少ない(比較的五感にストレスの少ない?)ジュエリーや木版画の制作をしていたのです。
こんな形で長年続けてきた金属造形の仕事とサヨナラするとは思いませんでしたし、紆余曲折の上、木版画を始める事になるとは夢にも思いませんでしたが、表現手法は変わっても、培ってきた私なりの感性で今、出来る事を全身全霊でしようと思っています。
この奇妙な体験によって、”自分とは?””意識とは?”そして”目に見ないものの存在”…等々、考え続けている事がいっぱいあります。
そして、今、生かされている事にただただ感謝の気持ちでいっぱいです。
そんなこんなでやっと本格的に社会復帰・・・
2年ぶりの個展が始まります。
長い間、金属造形家としての活動を応援して下さいましたお客様や、この一件で、語りつくせない程のご迷惑(涙)・・・とご心配をおかけしたギャラリー関係の皆様、友人、家族に心から感謝をしつつ、新たな第一歩です。
2024年11月1日(金)~11月8日(金)
会場:京王プラザホテル 本館3Fロビーギャラリー 他
時間:10:00~17:00(最終日13:00まで)
来年の個展からは心機一転、ジュエリー&木版画で歩んで行きたいと思っていて・・・
数はだいぶ少なくはなってきましたが、金属造形(鍛金・溶接等によるオブジェ、インテリアの)作品の個展出展はこれで最後にしようと思っています。それ以降は、かれこれ15年程支えて頂いている(多謝!!)アートラッシュ(代官山・東京)にちらほら出現するかもしれません。
会期中はずっと在廊してます。
初の試みで皆様に受け入れて頂けるか内心、ドキドキバクバクの私ですが・・・
少しでもご興味ありましたらお立ち寄り頂けたら光栄です。
*DMは発送準備中です。もうしばらくお待ちくださいませ。